植樹報告パート5 (2011年7月22日)

プロジェクト第3弾「カウラに桜の樹を!」活動内容詳細はこちらです>>

冬季限定となった桜の植樹のため、昨年に引き続き、もっとも寒さが厳しい時期にカウラを訪れました。

前回までは、当日ツアーを担当するスタッフはやむなく欠席となっていたのですが、今年は大震災の影響により、日本人旅行者数が激減したこともあり、IECオセアニアのスタッフ全員が揃っての小旅行です。

あいにく出発時のシドニーは天気が崩れていて、道中も冷たい雨混じり……。ところが、カウラに着くと路面はまだ濡れていたものの、青空が垣間見えるようになり、雨上がりの澄んだ空気に包まれました。

cowra11 02
日本庭園と捕虜収容所跡地を結ぶサクラ・アベニュー
小さな田舎道の両脇に、寄贈した桜が並んでいるのが見えるでしょうか

カウラ捕虜収容所跡にほど近い植樹場所のサクラ・アベニューには、カウラ市のビル・ウエスト市長とドン・キブラー氏(サクラ・アベニューの“言いだしっぺ”のひとり)が足を運んでくださいました。

cowra11 01
桜の前でカウラ市長と
(左から)Sean、Cr Bill West、Middy、Tokiko、Kurara、Matt

今回新たに植樹したのは2本で、「IECオセアニア&ツアー参加者」として植えた桜は全部で11本になりました。また、それらとは別にIECがご案内したお客様が個人的に寄贈された桜が7本あります。

ちなみに、中曽根元首相がまとめて寄贈したと言われるのが、10本。それを丸々5年がかりでようやく超えることができました。IECの桜11本は、1万人以上の方に支えられたものなので、非公認ギネス記録達成です(笑)。

cowra11 932
今回植えた桜
=植樹番号932

cowra11 933

=植樹番号933

cowra11 932 2

cowra11 933 2
上段には「IECオセアニア&ツアー参加者」の文字。
下段にはカウラの子どもの名前が書かれています

国際フレンドシッププログラムの一環で、「日豪友好の桜の並木道」として2千本の桜を植えることを目指してスタートしたのは1988年のこと。それから20余年経過した今では、ドン・キブラー氏を含む現地関係者は高齢化し、IECが植える以外に、カウラにはほとんど新しい桜は寄贈されていないというのが現実です。

わたしたちにできるのは、文字通り「ちょっとずつ」でしかありません。

日本古来のヤマザクラ(山桜)の名所として広く知られる奈良県の吉野山では、近年、雨の降りすぎで根が腐って、ナラタケ菌が繁殖し、桜の若木が枯れる被害が広がっているそうですが、反対にカウラの桜は、深刻な雨不足と戦っています。桜は、乾燥に弱いのです。気のせいなのかもしれませんが、今年は特に枯れてしまった木がたくさんあったように見受けられました。(IECの桜も一本は根元からダメになり、植え直してもらうことになっています)。日本庭園に管理が移管されても、残念ながら、なかなか思い通りにはならないみたいです。ベテランの桜守さんが来てなんとかしてくれないかなあ……と思わずにはいられません。

それでも、わたしたちは過去5年の間ずっと、IECポートスティーブンスエコツアーのご参加者の方々に、「カウラという内陸の町で戦時中、そして戦後こんなことがありました。日本人と縁の深いこの町に桜並木を作るための活動に、ツアー代金の一部を使わせていただいています」とお話をしてきたことが、何かに、あるいはどこかにつながっていると信じたいです。

(完:植樹報告パート5 - 2011年8月アップデート)